ボストンマラソン
世界で最も歴史があり、世界中のマラソンランナーが憧れるマラソン大会
種目 | 距離 | 公認 | 大会HP | 一口メモ |
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ランニング |
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世界で最も歴史のあるマラソン大会 |
コースや参加賞は最新の情報を御確認下さい。大会HPが○の場合は、クリックすると大会HPが表示されます。
- 標高のグラフの横軸にある赤丸を移動すると、その場所に相当するビデオを頭出しすることができます。
- ビデオを再生すると、それに合わせて、地図上の赤丸と標高のグラフの赤丸が動き、グラフには、その地点の距離と標高が表示されます。地図は、「航空写真」表示にして、大きく拡大すると、とても面白いです。
- "An error occurred, please try again later. Learn More"と表示された場合は、ブラウザの再読み込み(リフレッシュ)をして下さい。
- なお、28.4km付近で「第一ヒル(丘)」という声が入っていますが、このとき上ろうとしているのが第二の丘です。
ボストンマラソンは世界で最も歴史のあるマラソン大会である。
マラソンの故事の発祥はギリシアであるが、競技としてのマラソンの発祥はボストンである。
それゆえ、世界中のランナーが「一生に一度は走ってみたい」と考える大会だ。
ただし、誰もが参加できる大会ではない。参加資格をクリアする必要がある。そのため、余計に走りたいと思えてくるし、走れた時の喜びもまたひとしおだ。
ボストンマラソンの開催日
4月第3月曜日(アメリカ合衆国マサチューセッツ州の祝日Patriots' Day)。
ボストンマラソンの参加資格と応募方法
過去1年間のベストタイム順(年齢に応じたハンディキャップ有)。
以下、2014年4月21日開催の場合を例に具体的に説明するが、参加資格と応募方法は時々変更されるため、応募前に必ずBAA(Boston Athletic Association)のサイトで確認のこと。ここの記載内容に誤りがあっても、株式会社travel-dbは一切責任を負わない。
2014年4月21日開催の大会の応募は7カ月前の2013年9月9日(月) 1, 2, 3 に開始する。
そのため、応募に使用することができる記録は、応募開始日の約1年前の2012年9月22日以降の公認大会の記録 4, 5 となる。
まず、下表のように、年齢別に足切りがある 6 。ただし、このタイムを切れば必ず出場できるわけではない。あくまでも最低条件だ。「実際の」足切りタイムははるかに厳しい。しかも、近年の人気の高まりにより、年々より厳しくなってきているので、なるべく余裕をもって下表の足切りタイムをクリアしておきたい。また、年齢は、レース当日(今の場合、2014年4月21日時点)の年齢である。そのため、レース当日に区切りのよい年齢(45歳や50歳など)になる年の大会が狙い目となる。
年齢 | 男性 | 女性 |
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18歳~34歳 | 3:05:00 | 3:35:00 |
35歳~39歳 | 3:10:00 | 3:40:00 |
40歳~44歳 | 3:15:00 | 3:45:00 |
45歳~49歳 | 3:25:00 | 3:55:00 |
50歳~54歳 | 3:30:00 | 4:00:00 |
55歳~59歳 | 3:40:00 | 4:10:00 |
60歳~64歳 | 3:55:00 | 4:25:00 |
65歳~69歳 | 4:10:00 | 4:40:00 |
70歳~74歳 | 4:25:00 | 4:55:00 |
75歳~79歳 | 4:40:00 | 5:10:00 |
80歳以上 | 4:55:00 | 5:25:00 |
ボストンマラソンの応募は"rolling admission"と呼ばれる方式で行われる。
足切りタイムを大幅にクリアしている人から順番に応募することができ、定員に達した時点で締め切りとなる。足切りタイムからの余裕度(マージン)に応じた応募可能日は下表の通り。
応募可能日 | 足切からの余裕度 |
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応募開始初日(月曜日) 2日目(火曜日) | 足切りタイムよりも20分以上速い人 |
3日目(水曜日) 4日目(木曜日) | 足切りタイムよりも10分以上速い人 |
5日目(金曜日) 6日目(土曜日) | 足切りタイムよりも5分以上速い人 |
7日目(日曜日) | お休み(応募不可) |
8日目(月曜日)以降 | 足切りタイムをクリアしている人 |
応募が受け付けられると、submission ID numberが通知される。
AIMSに参加していない大会の記録を用いて応募した場合、数日後、記録証をFAXするか、スキャンしてメールに添付して送るか、いずれかを求めるメールが来る。記録証が日本語で記載されている場合は、英訳を併記しなくてはならない。特に、氏名、レース名、日付、タイムの部分は必須である。合わせて、欄外に、英語で氏名とsubmission ID numberを記載し、誰の記録証かをすぐに判別できるようにしなければならない。もし、レース結果が英語で一覧表になっているような公式Webページがある場合は、そのWebページのアドレスを記載しておくとなお良い。記録の正当性が確認できないと、応募が受理されない恐れがある 7 。
参加資格を満たしていることが確認されれば、受理されたことがメールで通知され、同時にクレジットカードに課金される。ゼッケンの引換証などは、後日、郵送されてくる。
タイムが速い人は、応募が受理されたら、すぐにBAAがおさえているボストン市内・近郊のホテルを予約し、合わせて航空券 8 を手配しよう。
タイムが遅い人は、応募が受理される頃にはBAAがおさえているホテルは一杯なので、自力でホテルと航空券 8 を手配する必要がある。ただし、BAAは各ホテル全室をおさえているわけではないので、Expediaなどを使えば、BAAがおさえているホテルをBAAが提供する料金と同程度の料金で予約できることが多い。
自力でホテルや航空券を予約したことがない方や個人旅行や海外出張の経験が無い方は、割高になるが、「ボストンマラソンツアー」のようなツアーに参加すると良いだろう。
2月初めまで、タイムの修正が認められる。スタートがタイム順のwave startなため、2月初めの時点の申告タイム順でゼッケン番号が割り振られる。大会当日、会場までのバスもタイム順に出発するので、タイムの速い人は早くスタート会場に着き、早く場所取りができる。2月初めまでの大会でベストを更新した場合は、是非修正申告しよう。
ここまで来たら、もう引き返せない。怪我をしないように注意しよう。それから、会社に休暇申請をしたり、家族サービスをしたりして、「根回し」をしておくのを忘れずに。
- もちろん、ボストンタイム。
- 2014年4月21日開催の大会に関してのみ、2013年の大会に参加し、ハーフ以上を走ったのにもかかわらず、爆破事件のため、ゴールできなかった方は、特別に8月19日~29日の間に応募することができます。
- 2014年4月21日開催の大会に関しては、急遽応募開始日がこれまでより2週間早まった。
- BAAのサイトには"net time"と書いてあるが、私がBAAに確認したところでは、実際に使用できるのは「公式」記録である。日本の公認大会の場合、ほとんどの場合、公式記録はグロスタイムなので、陸連登録をして前の方に並び、スタート時のロスタイムを少なくすることを強く推奨する。
- 2014年4月21日開催の大会に関して、応募開始日は早まったが、使用できる記録の期間の開始日は早まっていないので注意すること。
- 2012年の大会までは、このタイムには1分間のマージンがあった。すなわち、3:05:00は3時間5分台であればよく、3:05:59までOKであった。残念ながら、このマージンは2013年の大会以降無くなった。
- そのため、ボストンマラソンに確実に出たい場合は、まず、AIMSに参加している大会の一覧の中から記録を狙う大会を選ぶことから始めよう。韓国など海外の大会でも構わない。また、タイムがぎりぎりの人が日本の大会で記録を狙う場合は、その大会に申し込む前に、陸連登録を済ませておくことを強く推奨する。
- 航空券は、通常、半年前からでないと予約できないため、10月半ばまで待つ必要がある。出来れば、ボストン直行便を予約したい。
ボストンマラソンのゼッケンの引き換え
レース直前の週末(金曜日~日曜日)、Seaport World Trade Centerでゼッケンを受け取る。
ゼッケンを受け取った後、少し進むと記念品のTシャツを受け取る場所がある。応募時に申告したサイズから変更しても構わない。試着も可能だ。アメリカのSMLに対応した寸法と日本のSMLに対応した寸法が異なるので、「サイズなんてなんだっていいや」という方以外は、是非試着 1 することをお勧めする。ただし、試着室は無いので、女性は服の上から着てサイズを推し量るしかない。
Sports & Fitness Expoが併設されている。ここでBAAのロゴ入りウィンドブレーカーを買う人は非常に多い。
- Tシャツのサイズごとにブースが分かれているので、自分が試着したいサイズのブースで「試着したい」と言おう。「試着したい」は「Can I try?(キャナィ トゥラィ?)」。試着用のTシャツを渡してもらったら「Thank you.」を忘れずに。それが相手の仕事であっても何かしてもらったら「Thank you.」と言おう。日本人はとっさにthの発音ができないので、そういう人は「サンキュゥ」ではなく「タンキュゥ」と言うようにすると良い。サイズが合わなかったら「It's not my size.(イツ ナット マィ サイズ)」、そのサイズで良かったら「I'll take this size.(アイロ テイク ディス サイズ)」と言って試着用Tシャツを返す。
ボストンマラソンのカーボ・ロード・パーティ
レース前夜(日曜日の夜)、カーボ・ロード・パーティがCity Hall Plazaで開催される。家族を同伴しても構わない。複数種類のパスタ、サラダ、パンなどの食べ物と、水、紅茶、ジュースなどの飲み物が供される。お代わりもできるので、量は十分 1 。帰りにはお土産まで渡される。ただし、相席 2 が基本なので、そういうのが嫌な人は「boston marathon carbo loading」で検索して、検索結果から例えばこんなサイトを参考にして外食すると良い。
それから、カーボ・ロード・パーティに行く前に、是非ゴール地点に行くことをお勧めする。土曜日の夜、フィニッシュラインがその年のレース仕様でペイントされる。これは、レースが終了するとすぐに通常のデザインに塗り替えられてしまうため、レース仕様のフィニッシュラインの写真を撮るチャンスはレース前日の日曜日しかない。
- 2013年は、パスタだけでも5トン以上準備されたそうだ。
- 「ここ、誰か座ってますか?」は「Is this taken?(イズ ディス テイクン?)」
ボストンマラソンのレース当日 スタート前
ボストン市内に宿泊している人は、BAAが準備するバスでスタート地点に向かう。
乗り場はBoston Commonという公園。Tremont Streetにバスがずらりと並ぶ。ゼッケン番号ごとに乗るバスが決まっており、6:00~7:30の間に、ゼッケン番号順(すなわち、スタート順)にバスが出発する。スタート会場までは約1時間かかる。
バスに乗るときと降りたあとAthletes' Villageに入るときにゼッケンを見せる必要があるため、すぐに見せられるようにしておくこと。
バスを降りるHopkinton High SchoolがAthletes' Villageだ。広い芝生の上に、巨大な待機用のテント、たくさんの仮設トイレ、Poland Spring water、Gatorade、PowerBarなどのスポンサーのテントが立ち並ぶ。巨大な待機用のテントの下は、早く着いたスタートの早い人で占拠されているため、スタートの遅い人は、芝生の上で待機することになる。雨や雪の日にテントが増設されるかどうかは分からない。いずれにしても、自分用の敷き物を持って行くことをお勧めする。また、2時間ぐらい待機するため、寒い日は防寒対策をしっかりしておくこと。
Athletes' Villageでは、バナナ、ベーグル、コーヒー、ゲータレード、水などがタダで配られる。朝食を抜いてきても困らないくらいだ。ただ、その場合、問題はトイレ。たくさんあるとはいえ、30分近く並ぶ必要があるため、出来れば、ホテルでバスに乗る前に済ませておきたい。なお、Athletes' Villageを出てスタート地点に向かう途中にもトイレがあり、比較的空いているので、我慢できる場合は、自分がAthletes' Villageを出ても良い時刻になったら、すぐに出て、そのトイレに向かうのも良いだろう。それから、トイレには男女の区別はない。男も女も同じ列に並ぶので、ちょっと気を遣う。日本人だけかな?
スタートはゼッケン番号順の3段階のwave start。スタート地点はCORRALと呼ばれる9つの区域に分かれていて、その番号もゼッケンに記されている。Athletes' Villageを出ることができる時刻は、ゼッケン番号とCORRAL番号に応じて細かく決められていて、Athletes' Village内の巨大モニタにも表示されるので、良く確認して、正しい時刻にAthletes' Villageを出るようにしよう。
Athletes' Village出ると、我々をスタート会場まで運んできたバスが並んでいる。実は、このバスに荷物を預ける。ゼッケン番号ごとにバスが分かれているので、必ず、自分の番号のバスに荷物を預けること。そうしないと、ゴール後、荷物を受け取れなくなってしまう。
ボストンマラソンのレース
ボストンマラソンのスタートはゼッケン番号順の3段階のwave start。
スタートライン横には、右写真のようなThe Starterという銅像があり、ピストルの合図でスタートするのを夢見ていたのだが、ピストルを鳴らすのは最初のwaveだけのようで、2番目以降のwaveではダラダラとスタートする。ボストンマラソンの公式タイムはネットタイムなので、スタートラインを切るときに時計をスタートさせる。
コースは全体的に下り基調。しかし、結構アップダウンがある。特に、26キロから35キロにかけて立ちはだかる4つの丘が辛い。この4番目の丘が名高い「心臓破りの丘」だ。実際に走ってみた印象では、心臓破りの丘の恐ろしさを味わうのは、上っているときではなく、上り切った後だと思う。心臓破りの丘を越えると、一気に下るのだが、下り切って平地に出たところで、足がピタッと止まる。そのあとは、小さい上り坂でさえとてもきつく感じるようになる。坂道を意識したトレーニングをしておくべきだろう。
エイド・ステーションはマイルごとに設置されている 1 。水かゲータレード。途中一カ所だけ、パワーバー・ステーションもある。
ワンウェイなので、景色はどんどん変わり、飽きない。沿道の応援は途切れることが無く、特に男子は20km地点のWellesley Collegeの応援をお楽しみに。そして、ボストン市街に入り、ゴールに近づくにつれて、どんどん増えて来るので、どんどん気持ち良くなってくる。
ゴール後は、地元の新聞記者が待ち構えているので、目立つ格好をして走ると、インタビューされて、翌日の新聞に載ることも 2 。
- 2012年の大会はボストンには珍しく熱波に見舞われたが、暑い日に対する準備も万全であった。エイドステーションを通常よりも短い間隔で設置し、加えて、シャワーステーションを用意したり、救護施設や救急車を配備したりしていた。沿道の応援の皆さんも慣れたもので(?)、水をかけてくれたり、氷やアイスを手渡してくれたりして、本当に有り難かった。
ハリー さん
5.0
世界で最も歴史のあるマラソン大会で、ランニングを始めた頃から「いつかはボストン」が目標でした。
2011年のつくばマラソン(AIMSに参加していません)で参加資格を得て、2012年の大会を走りました。熱波に見舞われ、ボストンマラソン史上2番目高温下のレースで、記録を狙った走りはできませんでしたが、記憶に残るレースとなりました。期待を裏切らない素晴らしい大会で、私の中ではNo.1のマラソン大会です。
参加申し込みの際に何度かやり取りをしましたが、レスポンスが早く、かつ、丁寧でした。また、レース当日に限らず、レース前後を通してスタッフの対応が素晴らしく、猛暑に対する対策も万全で、気持ち良く、かつ、安心して走ることができました。沿道の応援もスタートからゴールまで途切れることがありません。本当にお勧めです。
なお、2013年の大会の爆弾テロの犠牲になられた方のご冥福をお祈り致します。また、怪我をされた方にはお見舞い申し上げます。2014年もこれまで通り開催されると聞き、安心しました。