五日目 旧三箇小学校→ゴールの日本海まで
旧三箇小学校ではお風呂で湯船につかることは出来ないけれどシャワーを浴びて着替える。さっぱりして気持ちいい。
携帯やガーミンの充電をセット、簡単な洗濯などしてカレーなどごはんを食べて寝袋を出して寝る。
いつもより参加人数が少ないので荷物を見つけ出すのも楽。ここからはハーフの選手の分も増えるが荷物の整理するのも苦にならないくらい広く使える。
出発前にも食事をいただく。後から考えると出発してしまってコース上で食事しても良かったのかもしれないが居心地がいいのと周囲の目を気にせずリラックスして食事できる貴重な空間なのでついレストポイントで過ごしてしまう。
それでも予定の一時間前倒しで16:00に出発。
するとハーフ含めて6~7人一緒になったので三箇小の玄関前で記念撮影などする。そして小集団で県道の細い道を下り117号へ。広い道に戻り下り坂になったのですぐばらけてあっという間に一人になった。ここでレストポイントでワラーチの紐の状態を確認することを忘れていたのを思い出した。
まだ大丈夫そうだけれど夜間になってから切れて替えるのは面倒なので明るい今のうちに鼻緒部分のパラコードを両足とも新しいものに交換。道のわきで交換している途中、ハーフ参加の玉ちゃんとブラニーさんが通り抜けていった。
しばらくまっすぐな道。三年前のハーフの時は暑くて辛かった覚えがある。今回は夕方なのもあり単調な道ながらさくさくと進む。すぐ夜が来た。CP20 魚沼橋南詰 412.9km 22:26。
この先もコンビニなどがまるで無い区間。三年前のハーフはK嬢と二人で月をみながら励まし合って進んだけれど今回は一人で淋しい。夜、一人で峠を越えるのはそれだけで不安な気持ちになる。
ところがこの区間でリタイヤを決めた和くんが同郷のランナーと一緒に一旦石川県に戻ってから車で応援に来てくれた!!しかもお手製のポスターまで作成。このマメさに頭が下がる。心細く暗い道も塩殿まで来る。
三年前より速いペースな気がする。前はもっと延々と長く感じた。
それでも山本山大橋が見えてくるまでが本当に待ち遠しかった。ようやくセブンイレブンにたどり着く。深夜01:22。二人のランナーと遭遇。一人区間が長かったのでちょっとほっとする。ここでも和くん達が車で先回り。忠さんがガールズ連れて到着するというのでちょっと待つ。三年前ほどではないがやはり冷え込みがある。動いていないと寒い。忠さんたちの到着を待ってちょっと話してから先に進むことにした。
体を冷やさないように先へと進む。小千谷に入る。さっきのコンビニで失念していた温かいスープをローソンで買う。体の中から温まる。ここでまた忠さん達の一行と一緒になりしばらく並走する。ワラーチ仲間のOba さんも一緒だ。
夜が明けてきた。5/5最終日だ。
この日の夜にはゴールしなければならない。3泊5日の旅だとどうも時間や日にちの感覚がずれていて今日が何日なのか?何度も確かめる。間違いなく今日は5/5だ。今日中にゴールしなければならない。
長岡のローソンで忠さん達ご一行と簡単な朝ごはんを買って食べる。三仏生に出る。普段だと和田邸という個人宅なのだが公設エイドになっているところが今回は使えずただ前を通り過ぎる。新しいCP21 越の大橋西詰 430.3km 4:46着。
空が白んできたのに眠気はマックスになってきていた。
どうにも眠くて気が付くと右側に寄って側溝に落ちそうになる。段々と忠さんと忠さんガールズに追いていかれる。仮眠を一回しないとどうせペースも上がらなそうなのでobaさんと大手通り交差点の横になれそうなところで二人で仮眠をとる。10分か15分くらいだったけれどもだいぶ違う。
しばらく二人での併走が続いた。黒条小学校前、灰島新田、中之島流通団地と順調に進んで行ったが雲行きが怪しくなり雨が降ってきた。確かに予報で雨ではあったが降りだしは午後からだったのに早い時間に降りだしてきた。雨だとなかなか仮眠場所が難しい。とにかく先に進むしかない。二人で電信柱2本分走ったら1本歩くなどして掛け声をかけながら進む。
見附大橋を下ったあと食事と仮眠をしっかりとるためファミレスに入る。ここでも15分くらいは寝れたと思う。外はまだ雨だった。時々止んではくれるけれどレインウエアを着たり脱いだりが面倒くさい。
この辺でobaさんが私の方に余裕があるなら先に進んでと言う。obaさんは一度フルの完走をしているので永久ゼッケンだ。私は今回完走すれば永久ゼッケンゲットなのでゴールの重みが違うでしょと。
なのでちょっと頑張って先にいくことにした。相変わらず雨は降ったり止んだりだけれど体の方は特に不調はない。眠気と空腹が困るくらいだ。補給食をとりつつ、眠気は立ちながらでも1,2分目をつむるだけでも違う感じなのでどちらもちょっとずつ取りながら進む。
CP23 三条大橋南詰 465.7km 13:13到着。ここまで個人のFBにUPしていなかったがようやく1枚お知らせを入れる。みんなの応援コメントをみて元気が出てくる。
ここを超えてようやく新潟市に入る。
ハーフのブラニーさんが後ろから一人で来た。ハーフとはいえ爆走。後半に来てしっかり走れているのは凄い。雨は降るたび強くなってきた。風も加わり、夜に入ると寒さも加わってきてロードのレースでありながらも止まったら低体温症になりそうな感じ。
今回の目標のひとつは頑張り過ぎない、免疫力を下げ過ぎないことも入れていた。コロナウイルス禍での開催中、病院のお世話になるのは気がはばかる。それでも不思議とお腹がすいている以外は元気だった。補給食とたまにコンビニでもう少ししっかりめの固形食だったりホットミルクなど温まるものを体にいれながらひたすら前に進んだ。
ギリギリ間に合うかなぁと思っていたけれど雨と風と空腹のパワー不足で思ったほど出力がない。早く最後の土手が見えないかなと祈りつつ前に進む。
上越新幹線の高架が見えてきた。以前コースロストした新潟大橋のアンダーパスを慎重にくぐる。今回は間違えなかった。時間が迫っているのでロストは避けたい。暗くなりヘッデンで照らされている範囲外が良く分からない。
土手近くに来たら一人のランナーが分岐で止まっている。いつの間にか抜かされていた後ろにいると思ったobaさんだった。一度二人とも通っているはずなのだが久しぶりなのと暗さで微妙な分岐にとまどう。橋のアンダーパスを丁寧にクリアし川の道岬の入り口でスタッフが誘導しているのが見えた。
「待ってたよ!」嬉しい一言。
時間内中で川の道岬で記念撮影をサクッと済ませてくれた。この時点で関門の21時を回った。あと3kmでゴール。ゴールの制限時間は過ぎたけれどもう目前だ。新コースなので一直線と分かっていても分岐っぽい所でいちいち確認してしまう。なだらかな細い坂道を上がっていくとようやく明かりが見え、人のにぎやかな声が聞こえた。
日本海の前にゴールが待っていた。
30分オーバーしてゴールの海の家 静浜亭に到着。
不思議とまだ元気がある。完走して嬉しい気持ちと出迎えてくれたスタッフや既に到着済みのランナー達に再会してほっとしたのとでテンションは上がっていた。
正直、もっと壮絶な感じなのかと思っていたけれどなんだかまだ走れる感じが残るくらいで自分でも不思議な感覚だった。けれど、確かに余力がないと逆に500km走ることが出来ないのかもと思う。
新潟駅にホテルはとっていたので着替えが2回になるのは面倒くさく、おでんとチャーハンを頼んで空腹をしっかり満たした後は、タクシーの乗り合いでホテルに向かう。眠気もマックスでタクシーの中でうとうとしてしまった。
ホテルでお風呂につかり足裏をもみつつ体を点検。それほどダメージはなさそう。特に痛いとかもない。安心して就寝。
翌朝は自分の両足が象足になっていてむくみがひどくなっていた(^^;)
前日からこんなにむくむのかとちょっとびっくり。足首が分からない状態なんですが?!さすがに500km走ったからこのくらいは有り得るか~。ゆっくりしか歩けないけど初100kmの疲労度やむくみと比べたら苦にならない程度なのにびっくり。
しばらく経過はみないとなんとも言えないけれど2年越しの川の道フットレース、フルの部、時間外とはいえ完走出来て嬉しかった。
また、コロナウイルス禍でいろいろ変更点もあったけれど難題をクリアして開催してくれたスポーツエイドジャパンの代表、スタッフさん達にも感謝。
そしてご一緒してくれたランナー達、応援してくれたみんなにも感謝。道行く人たちにもエールいただきました。こんな世の中だけれど温かい言葉をかけてもらえてうれしかったなぁ。
そして翌日からもう川の道ロスだったのは言うまでもない(*^▽^*)
リピートしちゃうの、わかるなぁ。