愚直に!

今後の予定

自己ベスト

私もスーツで帰宅ランしました。

ダラダラと記録として書きます。ごめんなさい。

東京駅近くの33階で仕事中であったが、ものすごい揺れ。縦に横にグニャグニャと、立っていられない。築2年のビルはミシミシと音を立て、まるで沈み行くタイタニック号にいるようだ。向かいにある高層ビル群の上のほうがユラユラ揺れているのが見える。

生まれて初めて「死」というものを具体的に意識した。短かったけど、楽しかったなー。娘2人は既に成人に近いから、生きてさえいてくれれば何とかなるだろう。

ネットで見たら東北が震源とのことで、すぐに秋田の両親に電話。幸いにもつながり二人とも無事であることを確認。

女房には電話が繋がらず、メール送信を試みる。何回目かで、一応送信できたことになったが、はたして届いていることやら。

怒涛のごとく訪れる余震にその度におののくが、余震は本震よりは弱いので「揺れ」では助かったと確信。さて、どうしようか。館内放送ではエレベーターの復旧の目処はつかないとを再三伝える。

外を見るとあっちこっちで煙があがり、東京でも火災が起きていることを知る。

ネットやテレビなどで情報を集めながらしばらく過す。終業時間間近になって走って帰宅することを決心。しかしながら組織で働いている以上、やっぱり上司には一言言うべきだろう。

幸い外出から戻って33階まで健気に登ってきた同僚に、上司が一階ロビーにいることを聞く。(130キロもあるため、さすがに33階まで登ることは出来ないようだ。)

周りに別れを告げると、道路は人手あふれかえっている上、約30キロを歩くのかと狂気の沙汰と非難されたが、かまうもんか。

33階から階段を下りはじめると壁に生々しいひびが入っている。苦もなく一階まで下りると、ショッピング中だった人や、同僚などが多く座り込んでおり、上司を見つけ、まだ勤務時間中ではあるものの、自己の責任で歩いて帰る旨を伝える。ランナーであること知っているので、「気をつけて」の一言で済んだ。

ネクタイを外してスタート。すごい人だ、まるで東京マラソンのスタートのような状況。ヘルメットを被り、災害時用のセット袋を背負っている人も多い。

背広にコート、ビジネスバック持参と不自由な上、ビジネスシューズとあっては先が心配だがとにかく急ぐ。5時スタート。何とか9時までには着きたい。

方向音痴だが日頃東京中をぐるぐる回って仕事をしているため、進路に不安はない。出る前に地図も見たし、GPS付きスマートフォンもある。

押し合いへし合いで、昨日楽しく走ったばかりの皇居桜田門付近を経、会議事堂前を通り、246号線へ出る。あとしばらくは一本道だ。

とか30分ほどで赤坂見付へ。青山通りを抜け、渋谷へ、それにしてもすごい人だ。やむなく車道を走ったりした。車は全く動いていないので、まあ大丈夫だろうと。

渋谷は歩道橋を登らなければ交差点を渡れないところが数箇所あり、そこが大渋滞。これは何とかしてもらわないといけないだろう。

帰宅を諦めた大勢の人々が立ち飲み居酒屋で一杯やっているのを見る。なんという危機感のなさ。

渋谷から三軒茶屋の間のコンビにでお茶を買い給水。トイレもと思ったが、すごい行列で諦める。

三軒茶屋の昭和女子大付近も大渋滞。反対車線の方が少しは空いているようだったので歩道橋を渡る。雑居ビルに入り、トイレへ。それにしても電話は全く使えない。

駒沢付近になるとようやく人が少なくなる。半分くらいは来たかな?二子玉川の高島屋を目指しスピードアップ。そこまで行けばもうホームグラウンドだ。気温はどんどん下がり、風も強い。

高島屋を過ぎ、川を渡る。道路の一方にしか歩道が無いので再び大渋滞。ここでも失礼してほとんど車道を走る。

ここで246号線には歩道が無くなり、並行する道へ。人の流れに身を任せるが、Iphoneを取り出し、現在位置を確認、溝口へと向かう。

溝口には着いたものの、駅付近は複雑でどこに行ったら良いのかでさっぱり分からない。バスを待つ人などでここもすごい人だ。

東急電鉄の駅員さんを見付け、鷺沼方面への道を聞く。ここでも歩道橋を登り、なんとか又、人の波に乗ることができた。GPSで自分の位置を確認しながら進む。もうあとわずかなので歩く。梶ヶ谷の歩道橋では再び246号線に合流するのだが、そこでは246号線の人の波から外れなければならなかったが、GPSのおかげで何と間違えずに進路変更。

梶ヶ谷に入ると真っ暗。まるで、「あなたの知らない世界」に迷い込んだようだ、まるで前が見えない。「停電」と気づくまでしばらくかかった。

大きな交差点では警察官が交通整理をしている。気温はさらに下がり、風も強い。マフラーと手袋をつけて、家を目指す。人の姿さえ見えず、ぶつかりそうになる程の暗さ。

あとわずかだ。途中のセブンイレブンが車の発電機でかろうじて営業をしていた。到着のお祝いに赤ワインを購入。(なんという危機感の無さ。)

なんとかマンションにたどり着く。エントランスから入るが真っ暗。まさに手探りで壁に沿って動き階段を探そうとするが、さっぱり分からない。諦めて裏口へ。東名高速道路の照明のおかげで何とか階段を登り、自宅に到着。ろうそくの中で待っていてくれた女房と抱き合って再会を喜ぶ。娘達はばあちゃん家で無事。

ちょうど4時間。帰宅サブフォー。

コメント